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そこにいるだけで 風のメッセージ [書庫]

そこにいるだけで―風のメッセージ

そこにいるだけで―風のメッセージ

  • 作者: 宮島 崇, 才桃 あつこ
  • 出版社/メーカー: 新風舎
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 単行本


不思議なご縁で手にした本。
小学校中学年からの対象なので、文体も優しく読みやすい。
そしてテーマは「命」

今、いじめ自殺が全国に蔓延している昨今。
きっとどの親もわが子を心配しているだろう。
いじめられてはいないか。つらい思いをしていないか。
もちろんそれも大事だが、もうひとつ考えてほしい。わが子が誰かをいじめてはいないか?
いじめの仲間から抜けられなくて苦しんではいないか?

被害者と加害者。
それはいつでも逆転してしまうのが今の時代のいじめだからだ。
私自身小学時代いじめられっこだった。
もうはるか昔だが、今でも当時の夢を見ることがある。

この本の中で主人公はついに死を決意するが、その前に親を悲しませたくない。親を苦しめたくないという気持ちがひしひしと伝わってくる。
だからこそいじめられていることを告白も相談もできずに追い込まれていく。
主人公は子供だからそれだけで精一杯なってしまうのだが、私はやはり親の立場で読んでしまう。

わが子がいじめられひどい言葉で傷つけられ自殺にまで追い込まれているのに気づいてあげられなかった。
そんな状況になったら親の哀しみ苦しみは計り知れない。
だからこそこれはやはり子供たちに読んでほしい。
そしてSOSを出してほしい。
必ず全力で守るから。

この世に生まれてくるすべての命。かけがえのないもの。
その数と同じだけこの世に生まれてこれなかった命がたくさんあることを知ってほしい。
だからこそ命は尊くかけがえのないもの。
そして大人も何度も何度もそれを言葉、態度すべてで子供たちに伝えていかなければならない。

かつてある人気学園ドラマの中で中学教師の主人公はこう言った。
「子供たちは未熟だから間違うんです。間違えたら何度でも大人がそれは間違いだと教えてやる
それが教育なんだ」
これは親や周りの大人たちすべてにもいえると思う。
面倒がらず、きちんと相手と向かい合う。
そして何度でも子供たちに自分は愛されるに値する命だということ。そして自分の命と同じように人の命もいとおしみなさいと・・・。

この作品で作者のすばらしいところは、主人公がただいじめられっ子に言い返したり、逆に強く反撃するような強さではなく、自分の考えをしっかり相手に伝え、なおかついじめっ子たちの命も又かけがえのないものだと気づくところだ。
たぶん主人公に命の尊さを教えるのが実在の人物だったらこうはいかなかったと思う。
なぜなら生きているとどうしても嫌いな人、苦手な人は出てくる。
そういう人のことまで大事に思いましょうと口にしていったり、言われたりしてもどうしてもそこにいくばくかの偽善を感じてしまうから。

この作品に出会えて幸せです。
そして子供に読ませてあげるのが今から楽しみです。
そして今まだ幼い心のうちから命の大切さ、愛すべき存在であることをしっかりとその心に根付かせてあげたいです。


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みやじー

このように素晴らしい紹介記事を書いてくださって心より感謝申し上げます。

いつぞや私が自分の記事で紹介した「フリーライターKさん」の記事につながるものを感じました。私が伝えたいこと、思いを的確に受け取っていただいていることにまた感謝です。

この記事を読んだ皆さんの中で、私の著書を手に取ってみようと思ってくださる方が1人でも2人でもでてきてくださればありがたいです。

私の思いが、そしてizunosukeさんの思いが、この本を本当に必要としている人の元へ届きますように。
by みやじー (2007-03-14 13:00) 

izunosuke

みやじー様。
つたない文章でお恥ずかしいですが、書かずにはいられませんでした。
日ごろなかなかこういう気持ちを表す機会がないので私にとってはありがたい機会でした。
こちらこそ感謝です。
by izunosuke (2007-03-14 20:18) 

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