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「永遠の仔」 [書庫]

永遠の仔〈上〉

永遠の仔〈上〉

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1999/02
  • メディア: 単行本


永遠の仔〈下〉

永遠の仔〈下〉

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1999/02
  • メディア: 単行本

図書館で何げなく手に取りました。
この作品一時話題になってドラマになったのも知っているのですが、ドラマもみなかったので、内容全く知らず。
それなのになぜか惹かれて読みました。
衝撃です。そして哀しいです。
でも、なぜか救いがあります。
「模倣犯」の時よりも読んだ後が悲しいけど納得できた。

ドラマを見ていなかったせいかこの作品の中の主要人物3人。
ジラフ(キリン)、モウル(もぐら)、ルフィン(イルカ)が自分の勝手なキャスティングで頭に浮かんでいました。
私の頭の中では
ジラフ・・・・椎名桔平
モウル・・・田辺誠一
ルフィン・・・深津絵里    でした。

読み終わってから調べたらジラフはドンピシャでしたね。
モウルは渡部篤郎か~   又一がらみでこの二人がリンクするとはね。
ルフィンの中谷美紀はちょっと意外。明るいイメージあったからね。

この話でも結局大人が大人として機能していないことがすべてのもとのように思えた。
昔って子供の領域、大人の領域って厳然と分かれていたような気がする。
子供には大人の世界が楽しくて自由で魅力的なものに見えた。
そして大人には大人の力量、分別が求められた。
今は大人の世界を真似しながら子供の部分も捨てたくない見た目だけの大人が増えている。

我慢することができない。
やせ我慢という言葉がさも悪いことのように言われる。
でも、そのやせ我慢が大人の粋を生んだりしたのだ。

大人が大人としてちゃんと襟を正している社会にならなければ、子供はいつまでたっても間違った大人像をぬぐい去れないのではないか。
昔にも悪い大人はいた。
でも、やはりそれは特別だったのだ。
社会の自浄作用が薄まっている。
見て見ぬふり、無関心。
そしてうっぷん晴らしの弱い者いじめ。

子供の世界のことは大人の縮図であることを大人が自覚しなければ始まらない。


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ちろり

一時期、話題になりましたね。

でも、いかにも心を痛打する臭いがしていて、
私はスルーした覚えがあります。

こういう作品って、
すっごく考え込んじゃって生活に支障をきたしちゃうので(^^;

<大人が大人として…
そうですね。
確かに…。
でも、昔の大人にも「見た目大人」な人は、
実は少なからずいたのではないかな? と思うことがあります。
でも、ちゃんとそれが子どもの目に入らないように
なっていて。
今の子どもたちはネットなどで、
そんな「知らなくて良い大人の部分」を
簡単に見れるようになってしまったのも問題なのかも、と
思っています。
by ちろり (2007-08-26 22:23) 

izunosuke

ちろり様。
世の中には必ず役割分担ってあると思うんですよ。
男と女しかり、大人と子供しかり。
お互いの領分を侵さない。
この基本が崩れてからこの国はおかしくなったような気がする。
それぞれがいい意味でお互いの領域に進出するのはいいけれど、逃げ込んでは駄目でしょう。
少年、少女のような心を持つことと、大人の自覚を持つことは本来車の両輪のように共存できるはずなのに・・・・・
by izunosuke (2007-08-28 09:13) 

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