「新世界より」 貴志祐介 [書庫]
ここのところ読書の秋ならぬ読書の冬になっていました。
なぜか突然活字に飢えたようになって、図書館からこれはと思うものを予約しては読んでました。
ここまで読んで失敗は一冊だけ。
「隻眼の少女」
これはね~ ミステリーファンにとっては裏切り行為でしょう~って作品です。
最後の最後で裏切られました。
もうこの作家さんの作品読むことないですね。
他の作品はどれも甲乙つけがたい出来で、さすがに「2010年版 このミステリーがすごい」で上位にランキングされただけの事はあります。
「隻眼…」もその中にあったんだけどね~…・
貴志祐介さんの「悪の教典」箱の作者の最高傑作って歌われてましたけど、読んだ瞬間は納得しました。
うわ~さすがにすごいのかくなあ~って・・。
でも、この作品見たら最高傑作は間違いなくこっちでしょう。
これ読んで二日目ですけど、まだ余韻に浸ってます…。
1000年後の日本なんだけど、決して今以上に科学が進んで何てことなくて、むしろ必要最小限しか科学は使わない。
日本全体で町としての集団はわずかに10ほど。
それも必要最低限しか交流はない。
ではどうやって暮らしているのか、人間たちは今の時代で言うところの超能力(本の中では呪力とよぶ)を全員が持っている。
子どもたちは小学部を過ぎると呪力を開放することを許されて次の段階で開発される。
ここまでの段階で能力に衰えのあるものは知らないうちに消えてゆき周りの人の記憶からも抹消される。
ここまでだって結構嫌な感じの社会だな~って思ってたんだけどこんなの序の口のそのまた序の口だった。
この社会では人が人に対して悪意を持ってはいけない。
相手に悪意を持つだけで自分にダメージが起こるようにDNAを操作されているのだ。
ましてや相手を傷つけたり殺したりしたらその場で自分の心臓が止まる。
だけど、これがのちに人類を破滅させるほどの足かせになってしまうのである。
そしてあらゆる謎が解けた後の最後の最後に一番ぞっとしたのがこの物語に必要不可欠な化けネズミと称される生き物たちの正体。
感情があれば知能があって想像力があればこそ人間なのに、呪力をもったために考えることも、疑うことも、しなくなり奴隷のように扱っている化けネズミから{神様)と呼ばれることに疑問を持たない子供たち。
そして殺戮が始まる。
呪力と言う万能の力を持ちながらなぜ人間はあんなにあっさりとやられてしまったのか。
それもたったひとりの悪鬼に。
そこに足かせが関わってくる。
何と表現したらいのかわからないけど、主人公と一緒に全力疾走して九死に一生を得て故郷に戻ったような安心感と脱力感と少しの罪悪感。
まだまだ自分の中で消化しきっていないのですが、貴志祐介と言う作家の底力見せられた感じです。
妙味のある方は是非一読を…。
今の私のNO.1のお勧めです。
かなりの長文ですけど。
なぜか突然活字に飢えたようになって、図書館からこれはと思うものを予約しては読んでました。
ここまで読んで失敗は一冊だけ。
「隻眼の少女」
これはね~ ミステリーファンにとっては裏切り行為でしょう~って作品です。
最後の最後で裏切られました。
もうこの作家さんの作品読むことないですね。
他の作品はどれも甲乙つけがたい出来で、さすがに「2010年版 このミステリーがすごい」で上位にランキングされただけの事はあります。
「隻眼…」もその中にあったんだけどね~…・
貴志祐介さんの「悪の教典」箱の作者の最高傑作って歌われてましたけど、読んだ瞬間は納得しました。
うわ~さすがにすごいのかくなあ~って・・。
でも、この作品見たら最高傑作は間違いなくこっちでしょう。
これ読んで二日目ですけど、まだ余韻に浸ってます…。
1000年後の日本なんだけど、決して今以上に科学が進んで何てことなくて、むしろ必要最小限しか科学は使わない。
日本全体で町としての集団はわずかに10ほど。
それも必要最低限しか交流はない。
ではどうやって暮らしているのか、人間たちは今の時代で言うところの超能力(本の中では呪力とよぶ)を全員が持っている。
子どもたちは小学部を過ぎると呪力を開放することを許されて次の段階で開発される。
ここまでの段階で能力に衰えのあるものは知らないうちに消えてゆき周りの人の記憶からも抹消される。
ここまでだって結構嫌な感じの社会だな~って思ってたんだけどこんなの序の口のそのまた序の口だった。
この社会では人が人に対して悪意を持ってはいけない。
相手に悪意を持つだけで自分にダメージが起こるようにDNAを操作されているのだ。
ましてや相手を傷つけたり殺したりしたらその場で自分の心臓が止まる。
だけど、これがのちに人類を破滅させるほどの足かせになってしまうのである。
そしてあらゆる謎が解けた後の最後の最後に一番ぞっとしたのがこの物語に必要不可欠な化けネズミと称される生き物たちの正体。
感情があれば知能があって想像力があればこそ人間なのに、呪力をもったために考えることも、疑うことも、しなくなり奴隷のように扱っている化けネズミから{神様)と呼ばれることに疑問を持たない子供たち。
そして殺戮が始まる。
呪力と言う万能の力を持ちながらなぜ人間はあんなにあっさりとやられてしまったのか。
それもたったひとりの悪鬼に。
そこに足かせが関わってくる。
何と表現したらいのかわからないけど、主人公と一緒に全力疾走して九死に一生を得て故郷に戻ったような安心感と脱力感と少しの罪悪感。
まだまだ自分の中で消化しきっていないのですが、貴志祐介と言う作家の底力見せられた感じです。
妙味のある方は是非一読を…。
今の私のNO.1のお勧めです。
かなりの長文ですけど。
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