私の一押し「二人だけの戦場」 [タカラジェンヌに愛をこめて]
今から12年も前に、バウホールで上演されたある作品があります。
タイトルは「二人だけの戦場」。
脚本・演出正塚晴彦 雪組公演
主な配役
青年将校 ティエリー・シンクレア 一路真輝
ジプシーの娘 ライラ 花總まり
シンクレアの親友 クリフォード 轟悠
ライラの兄 アルヴァ 和央ようか
その他にも当時芝居の雪組を支えた芸達者たちがずら~!
書ききれないほど。
戦場が舞台で、青年将校とジプシー娘の恋と来れば、お決まりの悲恋だと思ったらなんと最後には時を経てそれぞれいい年になった二人が再会(といっても普通の再会じゃない。ずっと囚われの身で会うことさえかなわなかった将校を迎えにいくんだもの)し、ハッピーエンドで終わるのもよかったし、フィナーレも物語の中の扮装のままで余韻を残したままの演出。
物語の中には憎憎しい敵も、笑っちゃうくらいお人よしな軍曹や上官。寝技上手な政治家。情に厚い酒場のマダム。
ほんとに個性豊かで架空の世界であることを忘れるくらい生き生きと息づいている登場人物たち。
そしてシンクレアとクリフォードの友情。
いろんな要素が絡み合っているのに、ちっとも複雑じゃない。
見ていて何の矛盾も疑問も浮かばないからそれぞれの立場に共感できる。
たとえそれが敵である副官や古参兵士であってもただの悪いやつじゃない。
それぞれの言い分がよくわかる。
近年の作品でこれ以上のものにまだ出会えない私です。
もちろん私個人の好みによるものですから意見は多々あるでしょうが。
もう12年も前の作品だし、スカイステージでも過去に1,2度放送しただけだし、ビデオはすでに廃盤でしょうし最近ファンになられた方が見る機会はほとんどないかもしれませんが、もし、機会があったらぜひいろんな方に見てもらいたい作品です。
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