「鉄鼠の檻」 [書庫]
ようやく読み終わった。
長かった。
このまま私までが箱根の「明慧寺」の囚われの身になるかと思った。
だが、けして中身がつまらなくて時間がかかったのではない。
ただ、今回は今まで以上に京極堂の説明は長いし専門的だし、おまけになかなか腰を上げて解決してくれないし・・・。
怪探偵「榎さん」も今回はかなり勝手が違うみたいですっきりとは行かなかったし・・・。
舞台は誰も出自を知らないいわくありげなお寺。
そこの修行僧たちが一人二人と奇妙な見立てで殺される。
犯人が誰で動機は何かと言うことより、この寺がいったいどういう寺でここにいる僧達の人間関係がどうなっているのか本当にややこしや~
おまけに年を取らぬ振袖娘。
戸籍を持たぬ謎の老人とその養い子たち。
そして第1作「姑穫鳥の夏」の関係者。
京極さんのこのシリーズは、前の作品に出た関係者や警察関係者が多々出てくる。
だから順番どおりに読む方が俄然面白い。
この本は以前一度読んでいるのだが、ぜんぜん覚えていなかった。
たぶん難しい禅の説明のところあたりはかなり端折って読んだと思われる。
京極堂のシリーズは、面倒な様でもその長い説明を読んでいないと、クライマックスで自分の気持ちが付いていかない。
だからこそ手に取るときは躊躇するのだが、読み始めると抜けられない。
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